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[
紙碑
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雪解の大先達 赤松蕙子さんより「佩香」をご恵送頂いた。
拙句集の返礼とおもう。
巻尾に「紙碑となる終章編まん冬星座」があるが
「紙碑」がせつない。
わたくしも この「紙碑」なる言葉 何處かで側聞したように思うが
赤松さんの御句だったか定かでない。
小生 昨年作の句は 「紙碑として一集編むや囀れり」
以下 「佩香」の共鳴句。
遠雷やあうら合はせて坐る嬰
染めむらもなく夕焼を流す空
秋暑し僕がほなるスフィンクス
闘鶏の鶏冠一華あげて勝つ
水兵を二艦うけ入れ街夜涼
笠あぐる僧の別れや朴の花
草スキー滑りどまりの苜蓿
雪渓を向う創とし嶺晴るる
秋の雲キリンが喰べてしまひけり
濁声に馬関のふぐの袋糶
群ごとに声のみなぎり鳥帰る
鯱瓦はねて石州夏始
夢殿の頂く宝珠春兆す
河豚うつらうつら水底まで遅日
赤とんぼ夕日一ｃｃを吸ひ
蟇天寿ひきうけ父母逝きぬ
踊子草やつさ踊りを咲き重ね
輪の外へ捨てし莨火盆をどり
蜂とんでセンサー作動したる寺
恋初めはみづらの太子厩出し
目刺焼く小皿いちまい疵唐津
寝しづまる鶴に満天照らす月
たばこ火を借りに近づく追儺鬼
巌流の太刀かぜありし帰燕かな
初寫眞さからふ猫を抱きすくめ
聴講によき耳そろふ弥生尽
白波の韓より寄する桜貝
老鴬と結句交はしぬ時鳥
日向ぼこ舌に平たくなりし飴
紙碑となる終章編まん冬星座
2005/04/07(木)
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