|
[
柴田トヨさん
]
|
柴田トヨさん
寝入る前の妻に 「おつくり」という言葉知っている？と尋ねたら
知らないという。それでも どうして私がこんな質問をするのか了解して
いる様子。
それというのも 今売れに売れている 柴田トヨさんの「くじけないで」と
いう詩集を明日図書館に返すが あなた読まないかといわれたので寝床で
あわてて読むはめになった次第。読み終わってそれで声をかけた次第。その
詩というのは
化粧
倅が小学生の時
お前の母ちゃん
きれいだなって
友達に言われたと
うれしそうに
言ったことがある
それから丹念に
九十七の今も
おつくりをしている
誰かに
ほめられたくて
「おつくり」は真によき日本語。
私もそんな佳き日本語を探して句作りをしている。が佳き句を授かっていない。
ねずみのこまくら句会を始めて １０年以上経つ。
今月 こんな句が出た。
ツイッター年の初めのためしとて
時宜を得た句である。と思ったら 柴田さんの詩にもこんな詩
があった。
風呂場にて
風呂場に
初日が射し込み
窓辺の水滴が
まぶしく光る朝
六十二歳の倅に
朽ち木のような体を
洗ってもらう
ヘルパーさんより
上手くないけれど
私は うっとり
目をつぶる
年の始めのためしとてーーーー
背後で 口遊む歌が聞こえる
それは昔 私が
お前にうたってあげた歌
2011/01/12(水)
|
|